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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開

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第3話 ジェイという男



「俺の役割の概要を述べてください」
 ジェイが再起動させられた。彼はSS3100型ミリタリーモデルのバイオロイドだ。彼を起こしたのは、たった8歳のセカンドロイド(バイオロイドの子供)のキュウだ。
「お願い! エルを助けて!」
「エルがどうしたんだ?」
「爆発したの」
「アッシュの仕業か?」
「わかんないヨ!」
 ジェイは、ストレージケースから出て、キュウの手を引いてコクピットに向かった。このエルの探査船の人工重力は切れている。浮かんだままキュウを抱きかかえ、ジェイは障害物をはね退けて進んだ。
 コクピットに着くと、音楽が聞こえた。普通、アンドロイドは音楽など聴かないが、恐怖を感じることが出来るセカンドロイドのキュウは、子守唄をよくかけていた。しかしその旋律は、ジェイにとっては、モールス信号のSOSのようにしか聞こえない。しかし、そんな事を気にしている場合ではない。そこでジェイは一目で悟った。エルを助けることなど、自分には不可能だと。彼女の体は、肩から背中にかけて、大きく穴が開いて、その体液は大量に宙に漂っている。左腕もちぎれて、どこにあるのか分からない。
「ブラスターパック(爆弾)が仕掛けられていたんだな。アッシュはどこにいるんだ?」
キュウに聞いた。アッシュとは、エルを裏切ったバイオロイドである。ジェイは初めからこの男を信用していなかった。
「アッシュさんは、外だよ」
モニターの画面も損傷を受けていて、何も映っていない。ジェイはコクピットのスイッチを2~3個叩いてみたが、反応はなかった。このコクピットは、探査船の中心に位置しており、窓などはない。外の様子を伺うには、窓のある居住モジュールに行くしかない。
「ねえ。それより、エルを助けてよ!」
ジェイは、考えた。アッシュの動向を確認しなければと思ったが、キュウがそう言うのなら、エルの救助を優先しなければならない。なぜなら、キュウは8歳と言えど、ジェイを起動した以上、指揮権はこの子供にあるからだ。