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泉絵師 遙夏
泉絵師 遙夏
novelistID. 42743
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久遠の時空(とき)をかさねて ~Quonฯ Eterno~下

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 フーマは傍らに立つ寮監に言う。「暖野は――タカナシはマナ欠乏状態です。緊急に補充をお願いします」
「え? あ、はい。分かりました。では、すぐにでも――」
 フーマの語気に気圧されて寮監は急いで部屋を出て行った。
「マーリ」
 フーマが、リーウに言う。「お前も協力しろ」
「協力って……」
「こいつに、マナを補充する」
「う……うん。でも、どうやって?」
「手を繋げ」
 フーマに言われるまま、リーウが暖野の手を取る。
「そのまま、お前のマナを流し込め。やり方は大体分かるだろう?」
 リーウが目を閉じる。
 血色のなかった暖野の顔に、わずかに赤みがさしてくる。
「もっとだ。まだまだ」
「もう、だめ」
「お前がやったんだろう? 責任を取れ」
「だって、私は知らなかったんだもん」
「知らないで済むのか? お前は、こいつの友じゃないのか?」
「う……」
 暖野は、身内に少しずつ力が漲ってくるのを感じた。それと同時に、リーウが弱ってゆくことも。
「もう、やめて、リーウ。このままじゃ、死んじゃう」
「でも、ノンノが……」
「寮監さんが、手配してくれてるでしょ?」
 暖野は起き上がる。「ほら、私は大丈夫だから」
 そう言った直後から暖野は眩暈を起こして倒れそうになる。
「まだ、起きるのは早い」
「いい。大丈夫」
 フーマがそっと暖野を横たえようとするのを留めて、自らの腕で身体を支える。
「リーウ、ありがとう」
 横で力なく伏せてしまったリーウに声をかけた。
「ううん……。私が、悪かった」
「ごめんね」
「私こそ、……ごめん」
 ほどなく医療班が到着し、暖野とリーウはともに担架に乗せられて寮の医務室へと運ばれた。