久遠の時空(とき)をかさねて ~Quonฯ Eterno~下
どこかの部屋……
そうなのか。
「保健室……」
暖野は呟く。
そこは、確かに保健室だった。
昨日も、医務室で休んでいた。
保健室の空気は、どこも同じようなものだ。
だが、その同じ部屋ではない。
この雰囲気。
暖野はベッドから起き上がり、カーテンを開ける。
保健士の机、薬品棚、壁の視力測定表、そして、健康に関するポスター。それらには、見覚えがあった。
窓辺に寄る。
半分だけ引かれたカーテンを、そっと開いてみる。
「何か、知ってるのか?」
背後から、フーマが声をかける。
「ここ……」
暖野は言った。「私の、世界」
作品名:久遠の時空(とき)をかさねて ~Quonฯ Eterno~下 作家名:泉絵師 遙夏