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泉絵師 遙夏
泉絵師 遙夏
novelistID. 42743
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久遠の時空(とき)をかさねて ~Quonฯ Eterno~下

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 あれから、どうなったのだろう――
 学校のある世界は、今も全てが停まったままなのだろうか。
 何とも言えぬ罪悪感が湧いてくる。
 暖野の現実世界、統合科学院、そのどちらも暖野の時間から完全に切り離されてしまった。
 フーマは、あの後どうなったのだろうか。彼は暖野がいなければ隠し部屋を見ることが出来ない。
 全て自分のせいだと思うなと、フーマは言った。
 でも――
 どうしてもフーマが出てくる。
 この曲がいけないんだわ――
 ジュークボックスからは、静かながらロマンティックなメロディが流れ出している。実際に立つ必要はなかったのかも知れないが、暖野は機械の前まで行って停止ボタンを押した。
 再び静寂が訪れる。
 リーウ、どうなったのかな……
 次に訪れるのがいつになるのかは分からないが、その時はこれまでと変わらぬリーウに迎えられることを暖野は願った。
 無駄にあれこれと考えているうちに、東の空が白み始めていた。途中何度かうたた寝くらいはしたかも知れないが、自分ではずっと起きていたつもりだった。
 今更になって眠気を憶える。
 時間の感覚が曖昧になっていた。ここでは間もなく朝なのに、体の方はそうではないらしい。
 これはリーウが言っていた時間酔いではなく、正真正銘の時差ボケだと暖野は思った。