久遠の時空(とき)をかさねて ~Quonฯ Eterno~下
慣れてはいないが、ブラックで飲んでみることにした。
暖野はそれを持って、デッキに出る。
淹れたてを飲みたいのはやまやまだが、猫舌の暖野にはそれが出来ない。デッキチェアに座ると、ひじ掛けにカップを置いた。
風除けがあるため、座っている所までは風は強く吹き込んでは来ない。午前の陽射しが暖かく包み込んでくれる。
暖野はコーヒーを一口すすった。
「苦っ!」
分量を間違えたのか、思った以上に苦かった。
でも、初めて自分で淹れたんだし――
時間はかかったが、暖野はそれを飲み干したのだった。
作品名:久遠の時空(とき)をかさねて ~Quonฯ Eterno~下 作家名:泉絵師 遙夏