小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ひょっとこの面

INDEX|10ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

10.微笑



「きゃっ」
突如押し倒され束彩は声を上げた。だが声とは裏腹に、束彩は余裕の表情で微笑んでいる。むしろこれから起こることを期待して、らんらんと目が輝いてすらいる。
 その目。その表情。それらは、憤怒にまみれていた私の怒りの炎をさらに焚きつけた。この女の顔を苦痛に歪ませてやりたい。この女を絶望に叩き落したい。そんな気持ちが心を覆い尽くしていく。
 私は声にならない雄叫びを上げ、ベッドに横たわる束彩に挑みかかり、無理矢理シャツを引き剥がす。ボタンが音を立てて弾け飛び、ブラジャーに包まれた胸が露わになる。
「あぁんっ、すごいです」
それでも束彩は動じない。微笑を崩さず、胸の下で腕を組んで乳房を強調してくる。
「このクソが!」
私は束彩を罵りながら、ブラをも剥ぎ取る。昨晩も見た、形の良い乳房が窮屈さから開放されてたゆたう。
「クソ女! 女狐! 売女!」
思いつく限りの言葉で罵りながら、束彩の頬を平手で打ちつける。そして、束彩の穿いているジーンズごと下着をずり下ろし、恥部を露出させる。楚々とした毛に隠されたその箇所は、悦びの液体ですっかり湿りきっていた。
「んんんっ、もう、きてください」
ここまでしても、いや、怒りをぶつければぶつけるほど、束彩はそれを快感に変えていく。挙句の果てには自分から衣服を脱ぎ捨てて、微笑みながら激しく一つになることをねだってくる。
『この女を屈服させ、絶望させるにはどうすればいい?』
 私は、束彩を組み敷きながら考えた。何をしても快楽へと変えてしまうその思考も憎いが、それ以上にこの余裕の微笑みが忌まわしい。だがそのとき、あるものが目に飛び込んできた。

 ━━ひょっとこの面。

 ずっと束彩が頭にかぶっていたひょっとこの面。あれだけ乱暴にしてもこれだけは外れなかった。私はその面をおもむろに掴み、忌々しい微笑を浮かべる束彩の顔に無理矢理押し付けた。
「?!」
いきなり視界を奪われ、口元に異物が入り込んできた束彩はさすがに動揺する。慌てて面を外そうとするが、素早くベルトで束彩の手を縛り上げ、面を外せないようにしてしまう。
 目の前には、妖艶な肢体を持つ滑稽なひょっとこが、身をくねらせてのた打ち回っていた。その、想像上の『生物』に魅入られて、私の性欲は限界を遥かに超えた。私はその『生物』を強引に捕まえ、魅惑的な太ももの間に陰茎を突き立てる。狭路を荒々しくほじくりあげるたびに、おどけているひょっとこの裏から淫らな声が漏れ聞こえてくる。

 何度目かの射精を経ても、私の性欲は衰えなかった。むしろもっとぶちまけたい。もっともっとこの『生物』を蹂躙したいという思いでいっぱいだった。
 そのとき、再び私の目に入ったのはひょっとこの口元だった。そこには伸縮する筒が天を向いて聳え立っている。私は躊躇することなく、その筒に自分自身を突き下ろした。
「ぐぶぅ」
という音が聞こえたが、それでも止めることはせず最後まで突き下ろす。力任せに突き下ろした男根は伸縮自在な筒を限界まで縮めさせ、裏に居る者の喉奥を塞ぎきって、精を放出し撒き散らした。そのような射精を再び何度も何度も繰り返して、やっと私は我に帰った。

 現実に引き戻された私は、ハッとしてベルトとひょっとこを取り外す。
 束彩は微笑んだまま、口内と膣内を精液まみれにし、窒息してすでにこときれていた。


作品名:ひょっとこの面 作家名:六色塔