オヤジ達の白球 61話~65話
オヤジ達の白球(65)屋根から落ちる雪
ドサッ。物音で祐介が目を覚ます。
(なんの音だ。いまの音は・・・)こたつの中で身体の向きをかえる。
横になった瞬間、そのまま眠りに落ちていたようだ。
陽子がかけてくれたのだろう。動いた瞬間、ピンクの毛布がずれ落ちていく。
部屋の中はあたたかい。ストーブは赤々と燃えているし、電気も点いたままだ。
ドサッ。また表から重たい物音が響いてきた。
こたつから出た祐介が膝で、猫間障子まで這い寄っていく。
小障子に手をかける。力をいれるまでもなく、するりと
小障子が滑りあがっていく。
何も見えない。完全に結露したガラスがあらわれた。
作品名:オヤジ達の白球 61話~65話 作家名:落合順平