オヤジ達の白球 61話~65話
オヤジ達の白球(64)ホワイト・バレンタイン
2月14日。時計は午前3時をまわった。
雪のやむ気配はみえない。時間とともにしんしんと降り積もっていく。
陽子が猫間障子に手をかける。
猫間障子の下半分に、ガラスがはめこまれている。そのうえに
開閉できる小障子がついている。
もともとは猫が出入出来るよう、小窓があいていた。
雪見障子というものがある。
こちらは最初から下半分がガラスになっている。
部屋に居ながらにして、外に積もる雪を見ることができるものだ。
しかし。ガラス部分の内側に小障子はついていない。
作品名:オヤジ達の白球 61話~65話 作家名:落合順平