一人旅の勧め
観光地の、ある変化
学生時代に旅行した場所で、気に入った場所がいくつかある。北海道の道東、特に知床半島や美幌峠からの眺望は最高だった。また、熱帯魚が泳ぐ美しいサンゴ礁の海と強烈な太陽が降り注ぐ八重山諸島も、何度でも訪れたいと思った。
これらの場所は、結婚後に家族で旅行に行く際の目的地とすることが多かった。自分が気に入った素晴らしい景色を家族にも見せたいという思いからだった。当然、自分と家族は別人格なので、自分が気に入ったからと言って妻や子供も気に入るとは限らないが、どの土地も家族に気に入ってもらえた。
特に八重諸島山は、石垣島も西表島も竹富島も、子供たちに大人気だった。
サンゴ礁の海でシュノーケリングをした際には、サンゴの間に見え隠れするカクレクマノミを見て大はしゃぎだったし、西表島でシーカヤックに乗り、海から仲間川を遡ってさらにジャングルの中を歩いて訪れたピナイサーラの滝は、今でも強烈に家族の記憶に残っている。
しかし、学生時代に訪れた場所を数十年後に家族で改めて訪れた際に、「あれっ?」と思うことがある。
いくつか例を挙げてみたい。
作品名:一人旅の勧め 作家名:sirius2014