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東京メランコリズム【後編】

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「はい。わかりました…」
「それではまた来週来てください。」
そう言うとその日の診察は終わった。

 それからもシンジの通院の日々は続いた。そんなある日、シンジはある女性と出会った。場所はユキと行った喫茶店だった。どうやら新人が入ったようだった。
「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ…」
そう言われるとユキと一緒に行った時と同じ席へ着いた。シンジはコーヒーを注文した。そして注文したコーヒーが運ばれてきた。シンジは店員を見てハッとした。
「ユキ!」
「え?」
「ユキでしょ?」
「いいえ、人違いだと思います。」
「そうですよね…」
「私、あおいと申します。ほら…」
そう言うとあおいは名札を見せた。
「すみません…」
「いいえ、とんでもございません。ごゆっくり、どうぞ。」
「ありがとうございます。」
ユキにそっくりな女性がその喫茶店で勤めていたのだった。そしてコーヒーを飲み終えたシンジは、あおいという女性にメールアドレスを渡した。
「良かったら連絡ください…」
「はい。ありがとうございます。」
そう言うとシンジは喫茶店を後にした。その日、あおいから連絡が来ることがなかったシンジは、連絡が来ないと諦めていた。所詮、そんなものだろうという思いも心のどこかにあったのだ。しかし、それでも連絡が来ないものかとシンジは携帯電話を握りしめたままだった。

 そして数日後、シンジの携帯電話が鳴った。メールが来たのだ。喫茶店のあおいからだった。
「先日はどうもありがとうございました。またいつでも来てくださいね。」
そう綴られていた。シンジはすぐに返信をした。
「連絡ありがとうございます。また喫茶店にも行きますね。良かったら今度会ってお話でもしませんか?」
それから数時間後、あおいから返信が来た。
「遅れてすみません。仕事でした。是非、今度お話しましょう。」
シンジはまたすぐに返信をした。
「ありがとうございます。いつなら空いていますか?僕はいつでも暇なので、あおいさんのお休みに合わせます。」
数分後、あおいから返信があった。