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東京メランコリズム【後編】

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「問診表を見る限り、統合失調症の恐れがありますね。」
「…」
「この病気はご存知ですか?」
「はい。」
「一番なりたくなかった病気ですから。」
「どうしてですか?お話を聞かせてもらえますか?」
「好きな人…問診表にも書いたと思いますが…」
「はい。」
「その人が生きていた時に、好きだった人と同じ病気なんです。」
「そうだったんですね…」
「でもその統合失調症だった人は死んでしまった人みたいなんです。」
「そうですか…」
「会いたいよ、ユキ…」
「え?今なんて?」
「ユキに会いたいんです。どうすれば会えますか?」
「ユキさんに会いたいのですか?」
「はい。自殺すれば会えますか?」
「会えません。」
「…ユキ…」
そう言うとシンジは泣き出してしまった。医師は蓮斗を好きだったユキのことだと気付いた。シンジはユキと同じ病院に来ていたのだった。
「それでは来週また来てください。」
「はい。」
そう言うとシンジは病院を後にした。

 翌週、シンジはまた病院へ行った。前回と同じように呼ばれた。
「シンジさん、診察室へお入りください。」
そして診察室へ入っていった。
「あれから調子はどうですか?」
「相変わらずです。ユキに会いたい。」
「そうですか…」
「どうすればユキに会えますか?先生ならわかるでしょ?」
「会えません。」
「…」
「どうしても会いたいなら、ちゃんと治療を続けてください。」
「そしたら会えますか?」
「まずは治療に専念してください。薬を処方された通りに飲んで、自傷行為はやめてくださいね。そしたらきっと答えは出ます。」
「わかりました。」
「これは医師からのお願いですからね。」