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東京メランコリズム【後編】

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 そして少しコーヒーに口をつけると、シンジの横にユキが座って、以前のように髪を触りキスをした。シンジが舌を入れてもユキは抵抗しなかった。相変わらずだった。少しずつ身体を触り、胸を触った。そしてふたりはひとつになった。事件はその夜に起きた。

 「私、薬飲みますね。」
「うん。」
ユキは大量にある薬を大量に飲んでいた。それを見たシンジは何も思わなかった。処方された量を飲んでいると思ったのだった。しかし、ユキはオーバードーズをしていた。するとユキはこう言った。
「なんかふらふらする…」
「大丈夫?薬の量、間違えてない?」
「はい。」
「本当のこと言って。」
「少し多目に…」
「やっぱり…」
明らかに様子がおかしいことにシンジは気付いた。
「救急車呼ぶ?」
「いいえ、本当に大丈夫です。」
「ねぇ、前から気になっていたんだけど、腕…」
「自分でやりましたよ。」
「やっぱり…」
「こうやるんです…」
こう言うと果物ナイフを取り出し、ユキは左手首を切って見せた。その傷は明らかに深かった。
「ダメだよ!」
辺りは血塗れになっていた。
「救急車呼ぶね!」
「大丈夫です、これぐらいなら。」
「大丈夫じゃないよ!」
シンジは必死の思いで救急車を呼んだ。十分後ぐらに救急車は到着した。
「出血が酷いですね…」
「え…ユキ…彼女、大丈夫ですよね?」
「とりあえず縫合が必要なので病院へ行きますね。」
「はい。お願いします。」
「彼女、助かりますよね?」
「出血が酷いので…今は止血することしか出来ません。」
「お願いします。助けてあげてください。」
「…」