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東京メランコリズム【後編】

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それからもシンジは二週間に一度の通院を、あおいは仕事へ行く日々が続いた。シンジは相変わらず処方された薬をその日その日のうちに捨てていた。そしてシンジの病状は悪化していたのだった。そしてシンジが通院の日が訪れた。通院だけはしっかりと通っていたのだ。

「シンジさん。診察室へお入りください。」
いつもと同じようにシンジは呼ばれた。
「調子は…悪そうですね。顔色悪いですよ?」
「そうですか?調子は良好ですけど…」
「薬はちゃんと飲んでますか?」
「はい…」
医師はシンジが嘘をついていることを見抜いていた。
「ちゃんと治療すれば症状は抑えられるんですからね。」
「はい。わかってます。」
「それならちゃんと薬を処方箋の通りに飲んでください。」
「…」
「彼女とは上手くやっていますか?」
「いいえ。」
「何かありましたか?」
「はい。ユキの名前を呼ぼうとしてしまいました。」
「そうですか…それで彼女さんの反応は?」
「不機嫌になりました。」
「そうですよね。それは当然のことだと思います。彼女さんと上手くやっていく気があるのなら、薬をちゃんと飲んでください。」
「はい…」
「それではまた二週間後に来てください。」
そう言うとその日の診察は終わった。

 シンジは家へ帰るとニルバーナの音楽を大音量で流し、その日に処方された薬を全部飲んでしまった。ユキを忘れたい一心でオーバードーズをしてしまったのだ。中には睡眠薬もあり、気付くとシンジは眠ってしまっていた。そしてあおいが帰ってきた。
「ただいま…シンジ!」
倒れているシンジに気付いたあおいは声を荒げた。
「シンジ!」
「…ん?」
シンジが目を覚ました。
「良かった…」
「僕、眠ってたの?」
「そうみたい…だね。」