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東京メランコリズム【後編】

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「はい!」
シンジは病状が良くなってきていること、ユキに似た彼女が出来たことで嬉しかった。
「でもまだ仕事はしないでくださいね。」
「どうしてですか?」
「また悪化する可能性もあるので。」
「はい。わかりました。」
「薬もちゃんと飲むようにしてくださいね。これも守らないと悪化する恐れがありますから。」
「はい。」
そういうと処方箋を出され病院を後にした。

 そしてその夜、シンジはあおいに電話をかけた。
「もしもし。」
「はい。どうしたの?」
「特に何でもないよ。声が聞きたくて。」
「ふふ。嬉しい。あ、病院どうだった?」
「病状は良くなってるみたい。最近は幻覚も減ったし。」
「良かったじゃん!」
「うん。あおいさんのおかげだよ。薬の量も減ったよ。」
「すごいね、シンジさん。」
「そう?ねぇ、お互い「さん」付けするのやめようか。」
「うん。シンジ。」
「あおい。」
「ちょっと違和感…」
「すぐ慣れるよ。」
「そうかな。」
「うん。明日は仕事?」
「うん…」
「仕事終わった後にうちに来ない?」
「いいよ。」
「じゃあ、仕事終わったら職場まで迎えに行くよ。」
「あ、道覚えてるから大丈夫だよ。」
「そう?じゃあ、待ってるね。」
「あ、私、明日早番だからもう寝るね。」
「そっか。おやすみ、あおい…」
「おやすみ、シンジ…」
そう言うと電話を切った。ふたりは幸せを満喫していた。

 そして翌日、夕方が終わる頃あおいはシンジの家へ着いた。
「お邪魔します。」