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東京メランコリズム【後編】

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ブラックで、あおいは少しだけクリームと砂糖を入れた。いつもと同じ…ユキの時とも同じ光景に、やはりシンジはあおいとユキを重ねてみてしまった。
「ねぇ、シンジさん…病状はどう?」
「あぁ、安定してきていると思うよ。」
「どんな病気なの?」
「うーん…症状は人それぞれらしいけど、僕の場合は幻覚が酷いのかな。」
この時、統合失調症について詳しくは話さなかった。あおいが離れていってしまう気がしたのだ。
「ユキさんの?」
「うん。」
「そっか。」
「急にどうしたの?」
「うんとね、まだ引きずってるのかなと思って…」
シンジはあおいが自分に少なからず好意を寄せていることがわかった。
「引きずっていないと言ったら変かな…」
「どういうこと?」
「幻覚を見ることがあるから…」
「それは病気のせいでしょ?そうではなくて。」
「あぁ、忘れないとね。あおいさんが居るから…なんて。」
「…嬉しい。」
「え?」
「うーれーしーいー!」
シンジにはハッキリと嬉しいと言われたのが聞こえたが聞き返した。
「え?」
「もう言わない!」
「あはは。あおいさん面白い。そういうところ好きだよ。」
「もう!」
「あはは。」
ふたりの談笑が終わる頃、時間は二十時を回っていた。
「これからどうしようか…」
「シンジさんにお任せ。私はどこでも何でもいいよ?」
あおいに誘われているような気がしたシンジは思い切ってこう言った。
「ホテル…行かない?」
「え…」
「やっぱり嫌だよね。ごめん。」
「ううん。いいよ。」
するとふたりは喫茶店を後にして、新宿のホテル街へ消えていった。ホテル街は夜でも明るいネオンを発していた。ここぞとばかりに客を誘うかのようだった。

 あるホテルへふたりは入った。ふたりはベッドの上へ座った。そしてユキの時と同じよ