小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

東京メランコリズム【後編】

INDEX|12ページ/26ページ|

次のページ前のページ
 

「ええ。」
「場所と時間はどうしましょうか?」
「シンジさんにお任せしますよ。」
「じゃあ…」
「じゃあ?」
「どうしよう…」
「ふふふ。」
「じゃあ、新宿でも行きませんか?ふらふらしたり…」
「はい。あまり詳しくないので案内してくださいね。」
「僕もそんなに詳しくないですが…」
「じゃあ、適当にふらふらしましょう。」
「そうですね。」
「じゃあ、十三時に待ち合わせしましょう。南口で。」
「はい。じゃあ、来週…あ、明日でしたね。」
「はい。ではまた明日…」
そう言うと電話を切った。シンジは少なくとも嫌われてはいないことがわかり嬉しかった。
 そして翌日、シンジはあおいの勤めている喫茶店へ行った。しかし、そこで仕事中のあおいと会話をすることはなかった。シンジはひとりきりでコーヒーをブラックで飲んでいた。少しはあおいと話せるかなという期待も虚しく店を後にした。

 ふたりの約束の日が訪れた。十三時に新宿駅の南口でふたりは合流した。
「どこ行きましょうか?」
「そうですね…シンジさんにお任せします。」
「じゃあ、適当に歩きましょう。どこか入りたいお店あったら言ってくださいね。」
「はい。」
「あ、もう敬語とか使うのやめませんか?」
「え?シンジさん、年上だし気まずいです…」
「僕は気にしないですよ。」
「それなら…」
「じゃあ、敬語はやめましょう。」
「うん!」
ふたりの距離が少しばかり縮まった気がしたシンジは嬉しかった。シンジだけでなく、あおいも嬉しかったのだった。それからふたりは新宿の街をふらふらして周った。特に行く当てもなく、ただ会話をしながら歩き周った。そして時折、洋服屋や雑貨屋を覗いてみて周った。それでもふたりは楽しかった。するとあおいがこう言った。
「どこか入らない?喉渇いちゃった。」
「うん。じゃあ、あそこの喫茶店に入ろうか。」
「そうしよう。」

 そしてふたりは適当に選んだ喫茶店に入った。ふたりはコーヒーを注文した。シンジは