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東京メランコリズム【中編】

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「私は新百合ヶ丘に住んでます。シンジさんは?」
「僕は町田です。」
「蓮斗さんと一緒ですね。ふふふ。」
「…」
シンジはユキが変わっている…いや、変な子だなと思った。
「あの…知り合ったばかりですが、聞いてもいいですか?」
「いいですよ。何ですか?」
「まだ蓮斗さんのこと、好きなのですか?」
「ええ、もちろん!私だけのモノになってくれましたから。」
シンジはユキに恐怖感を覚えた。
「そうですか。そういうものですよね。」
「そういうもの?」
「はい。未練というか…」
「未練なんてありません!私のモノですよ?」
「あ…すみません。」
すると電車は新百合ヶ丘へ着いてユキは降りていった。
「また明日…」
「ユキさん!」
そう言うとシンジも電車から降りた。それに気付いたユキは振り返った。
「どうしましたか?」
「良かったら少しお茶でも…」
シンジは思いきってユキを誘ってみた。
「ええ。大丈夫ですよ。」
するとふたりは駅から一番近い…蓮斗がユキと行った喫茶店へ入った。そしてふたりはコーヒーを注文した。コーヒーはすぐに運ばれてきた。ユキはクリームと砂糖を少しずつ、シンジはブラックだった。
「ねぇ、シンジさん…」
「なんですか?」
「蓮斗さんにそっくりです。」
「え?」
「蓮斗さんもコーヒーはブラックなんですよ。」
「…」
「ふふふ。」
コーヒーを飲み終えるとふたりは喫茶店を後にした。

 シンジはユキの可愛い顔と恐らく未練であろう一途さに少なからず惹かれていたのだった。ユキにはどこか不思議な魅力があったのだ。そしてどんどんシンジはユキに惹かれていくのだった。

 翌日、ユキとシンジは仕事へ就いた。この日もシンジは有田に仕事を教わり、黙々と作