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東京メランコリズム【中編】

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業をこなしていった。休憩時間になるとユキからシンジに声をかけた。
「良かったらまた一緒に食べませんか?」
「はい。」
「蓮斗さんの話してもいいですか?」
「はい。聞かせてください。」
「シンジさんと同じ二十八歳だったんです。」
「昨日、聞いた気がします。」
「あ、言いましたね。ふふふ。」
「…あと町田に住んでいたことは聞きました。」
「ニルバーナが好きで、カートみたいに髪が長いんですよ。」
「へぇ…」
「ニルバーナ、知ってますか?」
「はい。僕も好きでたまに聞いてますよ。」
「髪が長いのもカートの影響ですか?」
「…は、はい。少し意識してます。」
「お似合いですよ。」
「ありがとうございます。」
「なんかやっぱりシンジさんは蓮斗さんにそっくりです。」
「そうなんですか?」
「はい。外見も少し似ています。」
「はぁ…」
「髪の長さや顔つきも。」
「…」
「話し方も…あ、敬語やめてもらえますか?」
「じゃあ…ユキさんも。」
「私は敬語が好きなんです。あとユキさんではなくて、ユキちゃんと呼んでもらえますか?」
「じゃあ、ユキちゃん。」
「ふふふ。あと秘密の話があります。」
「何?」
「今日、仕事終わったあと時間ありますか?」
「うん。じゃあお茶でもする?」
「はい!」

 そしてその日の仕事が終わり、ふたりは町田へ行った。駅から少し歩くとシンジはこう言った。
「ここの喫茶店に入らない?」
「はい。お任せします。」
ふたりはコーヒーを注文した。シンジはブラックで、ユキはクリームと砂糖を少しだけ入れた。