東京メランコリズム【中編】
「おはようございます。」
「おはよう。新人さん入るみたいだよ。」
「どんな方でしょうね。ふふふ。」
「楽しみだね。かっこいい人だといいな。」
「ふふふ。」
「あ、おばさんだってイケメン好きなんだからね!」
そんな他愛もない会話をしていると朝礼が始まった。すると新人が前に来るようにと呼ばれた。そして新人は前へ出たのだった。
「今日から皆さんと一緒に働くことになりました、シンジくんと純子さんです。それでは一言、挨拶をお願いします。」
「シンジと申します。よろしくお願いします。頑張ります。」
「純子と申します。よろしくお願いします。」
「それでは…有田さん、シンジくんの教育をお願いします。山田さんは純子さんを…」
「はい。ちょっとシンジくん、可愛いじゃない。おばさんだけどよろしくね。」
「山田です。純子さん、よろしくね。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
「私たちも頑張りましょうね、純子さん。」
「はい。頑張ります。」
「それじゃあ、よろしく。」
所長がそう言うと仕事へ就いた。
「シンジくん、これはね…」
「はい。こうですよね?」
「すごいじゃない!早い早い!」
「ありがとうございます。」
「純子さんも覚えが早いわよ。こっちだって負けないわよ!」
山田はシンジと有田のところへ行ってこう言った。
「これじゃあ、ひとりで仕事をするのも時間の問題ね…おばさん寂しいわ。」
「あはは。僕なんかまだまだですよ。」
「そんなことないわよ。」
「これは…こうでしたよね?」
「そうそう…」
そんなうちに休憩時間に入った。
するとユキが昼食を取っているテーブルにシンジが来た。
「ここ空いてますか?」
「はい。空いてますよ。良かったらどうぞ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
「お仕事どうですか?」
作品名:東京メランコリズム【中編】 作家名:清家詩音