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東京メランコリズム【中編】

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「昨日、大丈夫でしたか?」
「うん。ただ…」
「ただ?」
「罪悪感がすごくてオーバードーズとリストカットしちゃった…」
「すみませんでした…私のせいで。」
「ううん。悪いのは僕だから。」
「いいえ、私が無理矢理行ったせいです…」
「そんなことないよ。」
「そうですか?」
「うん。来てくれて嬉しかったよ。」
そうこうしているうちに休憩時間に入りユキと昼食を取った。この日、昨日の気まずさのせいかふたりの間にほとんど会話はなかった。休憩時間も終わり仕事へ戻ってからもふたりの間に会話はほとんどなかった。しかし、ふたりは途中まで一緒に帰った。電車の中でユキはこう言った。
「やっぱり私負けません!」
「え?」
そしてユキは新百合ヶ丘へ着くと降りて行った。
「ちょっと待って!」
蓮斗はユキと同じ新百合ヶ丘で降りた。
「蓮斗さん…?」
「少しお茶でもしない?」
「はい!」
するとふたりは駅から近い喫茶店に入った。ふたりはコーヒーを注文した。蓮斗はブラックで、ユキはクリームと砂糖を少しずつ入れていた。春子と同じ光景に、ふたりは似ていないものの、どこか重ねて見ていた。
「ねぇ、ユキちゃん…」
「今の仕事はどう?」
「蓮斗さんのお陰で楽しくやれてます。」
「それなら良かったよ。」
「僕としか話さないから少し心配だったんだ。」
「ありがとうございます。」
「僕には気を遣わなくていいからね。」
「はい。」
「あのさ…」
「何ですか?」
「こんなこと聞きづらいんだけど…」
「負けません…て…」
「私は負けませんということです。」
「誰に?」
蓮斗は答えはわかっていたが聞いてみた。