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東京メランコリズム【中編】

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「彼女さんは?」
「まだ帰って来ないと思うよ。」
「それなら少しだけ…」
「コーヒーは飲める?」
「はい。」
「じゃあ、コーヒー入れるね。」
「ありがとうございます。」
「クリームと砂糖は?」
「えーと…少しだけ入れてください。」
「両方?」
「はい。」
蓮斗は春子のことを思い出した。コーヒーにはクリームと砂糖を少しずつ入れるからだ。春子と同じだった。そして蓮斗は自分の病気のことを話した。
「統合失調症って知ってる?」
「はい。私も精神化に通っているので。」
「そうなの?鬱病とか?」
「正解です。」
「今日はね、久しぶりに幻聴を聞いたんだ。」
「幻聴?」
「そう…ある人に呼ばれる声がたまに聞こえるんだ。僕は幻聴だとは思っていないけどね。」
「そうだったんですね。」
「私はただの鬱病なので…」
「ただのなんてことはないよ。」
「そう言ってもらえると嬉しいです。」
「どんな病気だって辛いものでしょ?」
「ありがとうございます。なかなか理解されなくて…」
「そうだよね。目に見える病気ではないからね。職場では黙っておくから。」
「ありがとうございます…」
そう言うとユキは泣き出して、蓮斗の肩にもたれかかってきた。蓮斗は優しくユキの頭を撫でてキスをした。
「…」
ふたりはキスを続けた。少しずつキスは深くなり、蓮斗はユキの身体に触れた。ユキは抵抗することはなかった。むしろ嬉しそうだった。そして少しずつ洋服を脱がし、ふたりはひとつになった。
「蓮斗さん…彼女さんは…?」
「たぶんまだ帰って来ないから…」
そう言うと蓮斗はキスをしてユキの口を塞ぎ、またユキの身体に触れた。それでも拒むことは決してなく、相変わらず嬉しそうな表情を浮かべていた。そしてふたりはまたひとつになった。