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東京メランコリズム【中編】

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「ただいま。」
「お疲れ様。」
そして蓮斗はその日あったことを一部始終話した。
「今日ね、新人が入ってきたんだ。」
「どんな人?」
「まだ二十歳なんだけどしっかりしてる。」
「女の子?」
「うん。」
「へぇ。」
「帰り際に彼女居るか聞かれたよ。」
「なんて答えたの?」
「居るよって…もちろん。」
「へぇ。蓮斗もまだモテるんだね。」
「そうかな。」
「そうだよ。まぁ、でもモテない男と付き合ってるよりは鼻が高いからいいかな。」
「そっか。」
「それでユキって子、可愛いの?」
「うん。可愛い子だよ。」
そして夜も更けてふたりは眠りについた。

 翌朝、秋江は蓮斗の様子が少しおかしいことに気付いた。
「蓮斗…蓮斗…」
「春子!」
どうやら幻聴が聞こえたようだった。
「今日は仕事休みな、ね?」
「うん…そうする。」
秋江は心配だったが自分の仕事へ行った。その日、秋江は蓮斗のことが心配で仕事が手に付かなかった。

 夕方になりいつもなら蓮斗の仕事が終わる時間を過ぎていた。するとインターホンが鳴った。ユキだった。
「どうもすみません。勝手に来てしまいました。」
「よくわかったね。」
「はい。所長に聞いたので。」
「そっか。」
「上がっていく?」
「いいんですか?」
「折角来てくれたんだし…」
「でも…」
「あ、体調?大丈夫だから。うつらないから安心して。」