おえかきギミック
森の中にたたずむ悪魔の絵を描いた。そして気付くと私はまた眠っていた。
「おはよう、リリスちゃん。」
「おはよう、先生。」
いつものように病室に先生が来た。そして昨日の夜描いた悪魔の絵を見せることにした。
「ねぇ、先生…」
「昨日はどんな絵を描いたの?」
先生は私がまた絵を描いたことをわかっていた。そして悪魔の絵を見せた。
「これは?」
「悪魔…」
「何だか不気味だね。」
「そうね…先生が私の話を信じてくれなかったから…」
「そうか…」
そう言うと先生は黙って病室から出ていった。今日は散歩をしないように言われていたが、私はこっそりと散歩へ行くつもりだった。そう、もちろん昨日の夜描いた悪魔に会うために。しかし、生憎この日は雨が降っていた。散歩へ行けるか不安になっていた。
それからお昼を過ぎても雨はやまなかった。私は雨がやむのを待っていた。夕方になっても雨はやまなかった。私は悪魔に会うために傘を差して、病院の庭のたくさんの木が生えた場所へと向かった。朝よりも雨は強くなっていた。大雨の中、私は森のように木がたくさん生えている場所へ急いだ。
私が行きたかった場所へ到着するとそこはたくさんの木の葉で雨が遮られていた。そして私は傘を閉じた。それから悪魔を呼んでみた。
「悪魔さん!お待たせ!」
私がそう言うと黒い影が現れた。
「遅かったじゃないか。」
「悪魔さん?」
「そうだ。」
「今日は雨だったから…」
「雨でも俺はここに居る。」
「そうなのね。風邪引かない?」
「ああ、大丈夫だ。」
「それなら良かった。待たせてごめんね。」
「気にすることはない。」
「やっぱり私が描いたから来てくれたの?」
「もちろん。」