おえかきギミック
「私はあなたの思っていた天使でしたか?」
「うん!思い通りだったよ!」
「それなら良かった…」
「どうして?不安だったの?」
「ええ。天使って美しいものだと誰もが思うでしょう?」
「うん。でも天使さん、すごく綺麗!」
「本当ですか?」
「本当だよ。私、嘘なんてつかない。」
「ありがとう、リリスさん。」
「昨日は妖精さんと会って遊んだの。」
「そうなのですね。あなたが描いた妖精さんかしら?」
「うん!」
「やっぱり!」
「ねぇ、天使さん。聞いてもいい?」
「私で良ければ何でも聞いてください。」
「私、魔法が使えるの?」
「それはわからないです…ごめんなさい。」
「そう…」
「ただ…」
「ただ?」
「きっとあなたの信じる力が強ければ、きっと願いが叶うのだと思います。」
「そうなんだね。じゃあ…」
そう言いかけると少し被せるように天使が言った。
「妖精さんや私と会えると思って絵を描きましたか?」
「うん。もしかしたら会えるかなと思って…」
「やっぱりそうなのですね。」
「でもね、きっとこんな話、誰も信じてくれない…」
「そうですね…でもあなたは信じることができる。それは素敵なことです。」
「そうなのかな…」
「はい。私たち天使は祈りを捧げる者の味方ですよ。」
「そっかぁ!そしたら私はただ祈って信じるね!」
昨日会った妖精は無邪気な印象だったが、今日会った天使は大人びた落ち着いた印象だった。ただそれは比べるものではなく、どちらもただただ嬉しかった。妖精も天使も私の思い通りの印象だった。それからまた私は天使と話を続けた。
「ねぇ、天使さん…」
「なんでしょう?」