おえかきギミック
「そうか、元気なら良かった。そういえば明日は誕生日だね。」
「先生、覚えててくれたんだね。」
「さっきリリスちゃんのお母さんから連絡が来てね…」
「そっかぁ!」
「誕生日には何が欲しいか聞いておいて欲しいって。」
「私、新しい絵の具が欲しい!」
「わかったよ。また伝えておくね。」
「ありがとう!先生。」
新しい絵の具があればもっとたくさん絵が描けると思った。そしたらまた色んな出会いがある、そう思った。
そしてその夜、私はこの数日間で出会った、妖精、天使、悪魔、ユニコーン、みんなで楽しく遊ぶ絵を描いた。そうすると気付くと私は眠ってしまったようだった。そして朝が来た。
「おはよう、リリスちゃん。」
いつものように先生が病室へ入ってきた。
「リリスちゃん?」
「…」
「誰か!早くリリスちゃんを!」
そう言うと看護士たちが急いで駆けつけた。そして私は集中治療室へと運ばれた。
「先生、麻酔です。」
「ありがとう。」
そして意識のない私は麻酔を打たれた。それから私の手術が始まった。
「リリス!」
「リリスさん!」
「やぁ…」
「リリスちゃん!」
私には妖精と天使と悪魔とユニコーンの声がはっきりと聞こえた。
「リリス?大丈夫?」
「リリスさん…」
「おい!」
「どうしたの…リリスちゃん…」
私の声は届かなかった。そうすると悪魔がこう言った。
「妖精はキラキラした粉でこの子を見失わないようにするんだ、いいな!」
「わかったわ。」