オヤジ達の白球 46話~50話
3塁の塁審が柊へ問いかける。
顔をゆがめている柊が「いや、駄目だ。無理だ。立つことは出来ん」
と首を振る。
「もったいないのう。誰が見てもフェンスを越えた大ホームランじゃ。
じゃがのう。打った本人がホームインしないと、4点目は成立しない。
またこのままここで立ち止まり3塁ベースへ到達しない場合は、
記録上、2塁打ということになる。
それがルールじゃ」
ええっ・・・特大のホームランが2塁打になっちまう?。
冗談じゃねぇ。それじゃ俺が肩を貸してやろうと3塁コーチがグランドへ
駆けだす。
うずくまっている柊へ駆け寄る。
「柊さん。俺が肩を貸します。3塁を踏んで、ホームベースへ戻りましょう」
「こら。ランナーコーチ。よさんか。選手へ手を貸してはいかん。
それではホームランどころか、柊がアウトになってしまうぞ!」
3塁の塁審が肩を貸そうとする3塁コーチをあわてて制止する。
作品名:オヤジ達の白球 46話~50話 作家名:落合順平