オヤジ達の白球 46話~50話
オヤジ達の白球(47)特大のホームラン
投球は、3ボール・2ストライクのフルカウント。
投手が勝負の投球へはいる。
(最後の球はおそらく、一番自信をもっている渾身のストレート)
柊はそう読んでいた。
2球続いたライズボールは、最後にストレートを投げるための伏線に過ぎない。
勝負球はライズボールの軌道に似た、高目いっぱいのストレート。
打者がつられてもっとも手を出しやすい場所へ、勢いのあるボールを投げ込む。
それが三振を奪いにくる投手の王道だ。
投手がプレート板を蹴る。
空中を舞った左足が、半径2・44mのピッチャーズ・サークルをおおきく
踏み越える。
足がサークルからはみ出ても、不正投球にはならない。
(大きく飛んだぞ。やはり最後の勝負球はストレート!)
作品名:オヤジ達の白球 46話~50話 作家名:落合順平