オヤジ達の白球 46話~50話
オヤジ達の白球(49)それから二週間
練習試合の夜から二週間が経った。
赤城山の山頂で紅葉がはじまった、というニュースが今朝のテレビで流れた。
「もうそんな時期か、世間は紅葉の季節か・・・」
岡崎が渡良瀬川の土手から、北にそびえる赤城山を見上げる。
紅葉がはじまったという赤城山はここからは、峰が5つ、横につらなって見える。
カチャリと音がして背後で、自転車が停まった。
「なにやってんだお前。そんなところへ座り込んで?」
自転車から北海の熊が降りてきた。
「そういうお前こそ、何やってんだ。こんなところで?」
「わからねぇのかよ。ほら、見た通りの自転車乗りだ」
「面白いか、自転車乗りは?」
作品名:オヤジ達の白球 46話~50話 作家名:落合順平