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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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ひろしの詩

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送り火



雨粒が紅葉の葉に落ちて
その葉から
滴が落ちて
その滴を受けた葉は
ぴょんとばねの様に撥ねた

お盆の送り火の日
いつもなら暑くて仕方ないのに
肌寒い

紅葉からの滴と雨が
池に落ちて行く
ホテイソウの間を
真っ赤な金魚が泳いでいる
楽しそうにぼくには見えた

観えないけれど
4日の時を過ごした
ご先祖様と父母
楽しかったでしょうか
今日は送り火です

いつか
繋がりも絶えてしまうかもしれません
どこかで
だれかが
受け継いでくれるかもしれません

きっと
小さな灯りの中に
永遠の御霊は生きていると信じています
灯りは消えたように見えるだけなのだと信じています

作品名:ひろしの詩 作家名:吉葉ひろし