ひろしの詩
夜の汚れ
限界まで透明になった水は
接触を拒まなければならなくなった
汚れることは罪悪だと教えられていた
はたして
汚れることは罪悪なのか
女が体と引き換える報酬は
汚れなのだろうか
その金で得るパンは汚れているだろうか
透明なまま
死を迎えることが善なのだと神は言うのか
生きることに価値があるのではないか
どぶ水になっても
気化されいつかは雨になる
くじけるな
卑下するな
過ちではない
君が生きるためだったと
神は許してくれる
貧しかった香港の片隅の部屋
下着からほずれた刺繍糸が
汗ばんだぼくの体にまつわりついた