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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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エピローグ



 惑星アップルの草原の丘、爽やかな風を感じる。
「エルはケイといい仲なのね。私は断然、ジェイの方がいい男だと思うんだけど」
「ケイはとて優しいわ。ジェイは頼れるけど、感情がないの。それが不思議で。リズなら理由が分かるんじゃない?」
(エルとケイには感情があるのに、ジェイにだけはない。どういうことかしら)
 私はジェイのプログラムのログ解析をコンピューターに依頼してみた。すると、どうやらケニーが、自分のライバルとなりうるジェイ・ヴァン・デヴォスのキャラクターに、手を加えていたことが判った。
(感情が湧かないように細工していたのね。アイツ、まったくせこい男ね)
 私はエルと二人、コロニーを見下ろしながら、尾根づたいに歩いた。その一部は果樹園になっている。私達はその木陰に腰を下ろした。
「自分が現実の存在じゃないって判って、つらかったでしょうね」
「ええ、とても驚いたし、困惑したって言うより、やっと気付いたって感じかな」
「これからは、今まで通りじゃいられないでしょう?」
「そんなことないわよ。私が人間じゃないって気付いた時から、何も変わっていないわよ。私達の生活は現実ではないけど、マダム・スーみたいに、データファイルとして存在はしているわ。それにリズ、あなたの優れたプログラミングのおかげで、私達は進化も続けて行けるから」
「でも、アップル開拓の未来は、どうなっちゃうのかしら?」
「いいえ、ここのリンゴを見てちょうだい。初めはたった一本の木を育てるために、ホログラムチャンバーでシミュレーションを繰り返して、ケイがやっと成功させたの。それが今では斜面全体を覆う果樹園になったわ」