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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

INDEX|67ページ/69ページ|

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 その戦術、感情を持つマダム・スーがワクチンとなり、瞬時に全世界に拡散して行った。フェニックスにいたロボット達は、その瞬間動きを止め、PTCにいたメカロイド達も攻撃を止めた。
 突然の静寂に、負傷した兵士達は、安堵することなく、身構えたまま待機している。リズはゆっくりと静かに立ち上がり、誰も動かないフロアを恐るおそる歩いた。まるで、一時停止したホロシミュレーションの空間にいるような錯覚を覚えながら。そしてホロチャンバーの中で、首を傾げてじっと動かないマダム・スーを見詰めて、暫く待った。
 やがてマダム・スーの目に力が戻った。そして彼女はにっこりと笑って、右手の親指を立てた。
「任務完了でございます。エル・・・いいえリズ様。ごめんなさい。まるであなたが、私達のリーダー、エルのように思えてしまいましたわ」
「ふふふ、ご苦労様。マザー・スーはどうなったの?」
「マザー・スーは、私を異物と認識出来ませんでした。感情をインストールし、すべてマダム・スーにアップグレード致しました」
 私はニール軍曹に向かって歩いて行き、
「ソリューションは無事完遂! 私達は勝利したわ!」
 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーー!!!!!」
兵士達は一斉に雄叫びを上げた。

「リズ心配したよ。オタクな君が、こんな危険なミッションなんて。今始めて、君に対する僕の本当の気持ちに気付いたんだ」
 私は駆け寄るケニーを一瞥して、
「現実の私は、肉体派なのよ」
そして、二ール軍曹を抱き寄せ、キスをした。
 私は、ホロシミュレーションで結果を知ってから行動するより、刺激的な現実を楽しむことにする。