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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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「もっと・・大きな声・が出せるとよろ・・しいのですが」
(大きな声?)
ふと・・・思い付いた。そんなことが出来るのかどうか分からない。でも、もう時間がない。
「・・・アナログはやめよ」
「では、・どのように?」
「デジタル通信に切り替えて!」
私はまた、ケニーのもとに走った。ケニーはまだアンテナを立てられずに、奮闘している。
「ニール! 一か八かの賭けよ!」
「何をしようって言うんだ!」
私はケニーのアンテナの通信線を引きちぎった。
「リズ、なんてことを・・・」
ケニーは驚いた顔で私を見上げた。私は間髪入れず、その彼に飛び付いた。

「なるほど、そう言うことでございますのね」

「どいて! どいてどいて!」
私はケニーに抱き着いたんじゃない。彼の後ろの壁、そこにあるコンセントに用事があるのよ!

 ビル全体に張り巡らされた電源ケーブル。今電源は落ちていて役に立たないけど、だからこそ使えるはず。私は引きちぎったアンテナ線の心線を、コンセントの穴に突っ込んだ。
「そ、そうか! PLCコンセントLANか! 君は天才だリズ!」
ケニーが叫んだ。
 かつて、コンセントからつながる電力線を、ネットワークの通信回線として利用する技術があった。コンセントは元をたどれば、世界中の電力線につながっているわ。それに、この高層ビル自体をアンテナにして、強力なデジタル電波を発信すれば、世界中のアンテナが中継するはず。なにせ電源は熱核燃料電池。超強力よ!
「行ってちょうだい! マダム・スー! 妨害される前に!」

「承知致しましたわ。エル」