L K 3 「フェニックス」
「ケニーは?」
「あいつならそこに隠れてるだろ!・・・クソッ!」
★ダダダダダダ!
大きな柱の陰で、頭を抱えてうずくまっているケニーを見て、
「あんたも戦いなさいよ!」
彼はただ震えているだけなんだから。
「ソリューションは見付かったのか!?」
二ールは敵に応戦しながら、聞いた。
「ええ、見付けたわ。彼女よ!」
私はホロチャンバーの中を指差した。二ールがマダム・スーを見ると、彼女は、
「メカロイドに乗り移れる状況では、ございませんわね。撃たれるのは、ご勘弁願いたいですわ」
「そうね、乗り移ったところで、脱出出来そうにないわ」
「ここから外部リンクにアクセス出来ませんでしょうか?」
「今は警戒して、ホロチャンバーとイーサーネットを切り離しているの」
「では、私は身動きが取れませんことよ」
私は考えた。ここが破壊されたら、ソリューションが台無し。エル達も消滅してしまうわ。
「ケニー! ここのホロシミュレーションを丸ごと保存して持ち出せる?」
「だ、ダメだよ。情報の外部流出を嫌って、コピーガードがかかっているんだ。物理キーで、プロテクト解除しないと、持ち出せない。どこにあるか分からな・・・(★ダダダダダダ!)うわぁー!」
「でも、マザー・スーは抜け出せたんでしょ?」
「僕には、方法が分からないよ」
「あの? リズ様。ちょっと、よろしいでしょうか?」
「なに!?」
「私は一般回線を使ってでも、通信移動が可能でございます」
「それが!?」
作品名:L K 3 「フェニックス」 作家名:亨利(ヘンリー)