L K 3 「フェニックス」
第十五話 不死鳥(フェニックス)
私は元のホログラムチャンバーの中に立っていた。ホロシミュレーションのスタート地点だわ。
(フェニックスのPTCに帰って来たようね)
「よろしいかしら」
背後から声がした。私が振り返ると、目の前に中年女性が一人立っている。
「お目にかかれて光栄ですわ。リズ様。私がマダム・スーでございます」
「あなた、体がある・・・」
「ホログラムチャンバーの中では、このような姿でいられるのでございますが、フォトン(光子)の体では外には出られません」
「じゃ、どうすればいいの?」
メカロイドをご用意くだされば、外ではそれに乗り移って、行動させていただきたいと存じます」
「そう。じゃちょっと待っててくれる? 私は外に出るわ」
「承知いたしました。・・・出来れば80EXをご用意いただければ幸いです・・・」
私は、ホログラムチャンバーのハッチを開けた。
★ガガガガッガガ! ダッダン! バラババッバラババ! ダダダダダダダ・・・!!!
「きゃっ!」
外は戦闘の真っ最中だった。
「リズ! やっと戻ったか!」
「二ール。これはどういう状況? ロボット達に取り囲まれて、既に1日以上経過している。」
★ダダダ・・・ダダダダダダ! 二ールは銃を撃ちながら、
「攻撃が始まったのは、1時間ほど前からだ! 全員でホロチャンバーを守ってるが、もう4人殺られた」
作品名:L K 3 「フェニックス」 作家名:亨利(ヘンリー)