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　その瞬間、プログラムすべてが、一時停止した。私は動かないエルを見て、彼女に途方もない、感謝の気持ちが込み上げてきた。これほどにまで、ＡＩの性能を引き上げてくれた私の分身に。
「コンピューター。エルのＴｒｕｓｔｅｄｉｎｓｔａｌｌｅｒ（トラステッドインストーラー）の権限を私に移譲してちょうだい」
『その権限はこのシミュレーションプログラムのシステム全てに影響します。本当に実行しますか？』
「ＹＥＳ」
『プログラムに、名前を付けて保存してください』
（新しい名前を付けて保存か・・・よし！）
「新しいプログラム名は、“不死鳥（フェニックス）”よ」
『・・・・・・変更は実行され、システムは上書きされました。“不死鳥（フェニックス）”を起動します』