L K 3 「フェニックス」
「今すぐに、フェニックスに連れ帰る方法はないかしら!?」
わああ。私にできること。確実な方法。何かないのかな。私がプログラムしたホロシミュレーションなのに・・・
あ? 私がプログラムしたんだった。プログラマーにだけ与えられる特別な権限。再プログラム実施の音声コマンドが使えれば。
「今日の日付は?」
「それはアップル歴でしょうか? 太陽系標準歴でしょうか?」
ケイが尋ねた。
「何それ? 西暦は使ってないの?」
「はい、西暦に換算すると、2219年5月15日です」
「にっ千2百!? ちょー未来じゃん。う、うん。じゃ、Fab62X−22190515−CM2008オーバーライド」
・・・・・・何も起こらない。
やっぱりこの世界じゃ音声コマンドは無効だったの?
「リズ様、日付が間違っているのでは?」
ブルーノが言った。
「だって、西暦は2219年5月15日なんでしょ」
「それはこの世界の架空の日付です。あなたが現実の世界から来られたのであれば、現実世界の日付でないと、いけないのではないでしょうか?」
そりゃそうだ。ここの80EXかしこいわ。
今日の日付は・・・よし。
「Fab62X−20690811−CM2008オーバーライド」
作品名:L K 3 「フェニックス」 作家名:亨利(ヘンリー)