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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

INDEX|56ページ/69ページ|

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「重要な話とは何ですか? 太陽系司令部の使者ではなく、一人で来るなんて、通常考え難いことなのですが」
ケイがそう尋ねた。周囲のアンドロイド達も皆、黙って聞いている。
「エル。二人だけで話せる?」
「それは許可出来ねえな。エルは我々にとって重要人物だ」
ジェイが割って入ってきた。
 私は考えたけど、この世界が仮想現実だって知ってる者は、誰もいないだろうね。もし知れば、このプログラムにどんな影響が生まれるかわからない。
 彼ら自身もとても幸せそうに暮らしているのに、自分達の存在が現実でないと知ったら、どうなることだろう。
「出来るだけ少人数で、相談できないかしら」

 エルとケイ、ジェイの3人と研究室のような部屋に入った。机の上に置いてあったバスケットには、真っ赤なリンゴがあった。ケイは机に座って、私にリンゴを勧めてくれたけど、私がそれを断ったら、ジェイが代わりに掴んで、それを大きくかじった。私はなじみの顔を持った彼らを前に、鏡の世界を覗いているような気分だった。
 そして、私がここに来た理由。地球で起こっている本当のこと。この世界がどのように関与しているのかという説明・・・。身につまされる思いだったけど、彼らは黙って聞いていてくれた。最後に私は、マザー・スーの正体と、それを止める方法を知らないか尋ねた。

「聞いた? あなたの協力が必要よ」
 エルは私から目を逸らしてそう言った。
[ええ、私が原因のようですので、私が地球に参り、その混乱を収束させたいと存じます]
そこに声だけが聞こえて来た。
「こっ、この声は、マザー・スーなの!?」
[いいえ、私はマダム・スーと申します。そのマザー・スーの本体でございます。私の分身がご迷惑をおかけしているようですわね]
 正体を見せないマダム・スーに困惑していると、ケイが、
「マダム・スーはSU3800フォトロイドで、実体を持たないアンドロイドなのです。他のアンドロイドに乗り移って、活動が可能になります」