L K 3 「フェニックス」
目が覚めると、いつも耳鳴りがする。
体が冷えているわけではないのに、暫くは足を思い通りに動かせない。
どうしたのかしら、外が静かだわ。気がはやるけど、目が開けられない。そうか、コールドスリープ。私は今、宇宙船の中だったわ。
プシューーーーー。人口睡眠キャスケットのシールドが開いた。船内のこもった空気の匂いがした。眩しい・・・。私は言うことを聞かない体を起こした。そして再び、目をギュッと瞑って考えた。
まだ頭がボーっとして、よく状況を思い出せない。私が今ここにいる理由・・・。
そうだった。あんなことがあったから・・・・・・エルに会いに来たんだった。
作品名:L K 3 「フェニックス」 作家名:亨利(ヘンリー)