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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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 人類存続の危機を打破するために、スコッツデール通りにあるインフォン社のPTCビル内に入る必要がある。ホログラムチャンバー、それにも興味があるわ。でもその電源も確保しないといけない。メカロイドの反乱が起こった日、そのビルにいたケニーや、偶然そこに立て篭もったニール軍曹の話では、バックアップ用の自家発電は、夜にはすべて切れてしまっていたらしいから。
 それだけの施設を稼動させるためには、軍が持っていたバッテリーでも十分とは思えない。でも、私には思い当たるものがあった。熱核反応電池なら、十分な出力がある。
 ケニーは、ホログラムチャンバーには、自分が入ると主張したけど、私はデヴォス少佐に、私が入ることを条件に、クラーク家の熱核反応電池の利用を提案したら、承諾された。ケニーはとても心配そうだったけど。私の好奇心は抑えられないわ。
 少佐はクラーク家にその電池の回収部隊を送ってくれた。加えて、ニール軍曹の小隊が、PTCで私を護衛してくれることになった。
 私には、ホロチャンバー内のシミュレーションプログラムから“ソリューション(解決策)”を見付け出す任務が与えられたの。それにはケニーったら、少し不服そう。彼を出し抜くつもりなんかないんだけど、怒んないでよね。

 ブラボー小隊を指揮するのは、ニール一等軍曹。30人で組織される小隊は、装甲車5台に分乗し、昼間にPTCに向かった。夜に動いてもメカロイド達には、赤外線監視で丸見えだし、逆に自分達の方が、見え難くて危険なだけだから。
 私がそのビルで働いていたのは、もう1年も前のことだわ。そこにすべての原因があったのね。こんな状況で戻ってくることになるなんて。 
「1年前、すべてが停止した夜、僕はそのビルにいたんだ」
シートベルトをがっちり締めてる割に、ケニーは緊張感のないことを言ってるわ。
「その日、ニール軍曹に助け出されたんでしょ」
「ああそうさ。僕が軍曹達を地下の排水溝に案内したから、無事逃げ延びることが出来たのさ」
(何つまらない事言ってんの、もう!)
 約1年ぶりに戻るそのビルが、人類最後の防衛ラインになるとは。きっと二ール軍曹は、そんなことを考えているんだろうな。