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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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第九話 極秘開発プロジェクト



 デヴォス少佐は、私達にこの遺体を調べるように指示したけど、はっきり言って、私とケニーじゃ力不足だった。ここの設備では、あまり役に立たなかったって言うのもある。
 数日の間、軍医が解剖しながら、遺体の隅々まで調べたけど、私達プログラマーが解ることは、何一つ無かった。アンドロイドなら、どんなプログラムなのか解析したいけど、対象が生身じゃ、PCをどうやって接続したらいいかも分からなかったの。80EXみたいに簡単じゃない。もっともっと、ずーっと高度なアンドロイドだわ。
 でも判ったことはいくつかあった。軍医の見解では、この遺体の体は、一人のものではないらしい。何人もの肉体の寄せ集めだったらしい。

「人間をアンドロイドに改造しているって言うこと? まさかそんなこと。AI倫理はどうなっちゃったの?」
 私はケニーに寄り添って聞いた。
「AIそのものが、ルールを決めてしまっているってことなのか」
「でも、人間そっくりのアンドロイドを作る技術なんて、確立されているはずがないわ」
「思い当たる節がある。我が社でも炭素ベースの素材で構成された、新型アンドロイドの概念の噂は聞いたことがある」
「つまり、タンパク質の肉体を持つアンドロイドね。でも、インフォン社で研究されていたんなら、プログラミングチームの私達が知らないはずがないもの」
「人工知能の研究の一環で、AIにプログラムさせていたって話だ。人間の代わりになるアンドロイドを設計していたのかも知れない。それは“バイオロイド”と呼ばれていた」
「バイオロイドって・・・」

 それからというもの、私は“バイオロイド”をキーワードに、ネット上のありとあらゆる情報をハッキングしたわ。
 そしてマザー・スーが関与する、気になるデータに行き着いた。そして恐ろしい事実に気付いたわ。こんなことが行われていたなんて。