L K 3 「フェニックス」
第八話 未知のテクノロジー
敵は正体不明のマザー・スー。私はそれからと言うもの、毎日、マザー・スーの正体を探るために、ハッキングを繰り返した。逆探知されてシステムを遮断されないよう慎重に。ミスを犯したらおしまい。でもサーバーのシステムは熟知しているし、セキュリティハードルもある程度突破できた。でもマザー・スーはネット上に存在して、一箇所に留まっていない様子だった。
『人類の半分は抹殺できましたわね。地球の環境汚染もほぼ止まりました』
どこでマザー・スーの声がするのかは分からない。いいや。どこにもいないのかもしれない。しかし、世界中のメカロイド達はこの声を聞いた。
『これからは、人間に代わるアンドロイドを生産したいと存じます』
それから数か月が過ぎて、ケニーと私は何機もの捕獲したメカロイドのメモリを隅々まで調べつくした。それで得られた結論は・・・
マザー・スーが世界中のメカロイドにウィルスを感染させていたという事。そしてそのウィルスはすべて、マザー・スーそのもののコピーだった。つまり、すべてのメカロイドにマザー・スーが乗り移っているということなのだろう。
マザー・スーと呼ばれる、たった一つのAIのオーダーにより、全世界のメカロイドは一勢に、人類に対し反乱を起こしたということ。それは、すべてを中央で指示が出されているのではなく、まったく同じプログラムが同時進行で同じ行動を取っているだけだった。これじゃ中央サーバーに、ワクチンで攻撃しても意味がない。
依然、マザー・スーはどこから来たのか? 誰が作ったのか。それらは謎のままだわ。
作品名:L K 3 「フェニックス」 作家名:亨利(ヘンリー)