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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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「私に協力できることはありますか?」
「君の知識を使えば、やつらの指令サーバーをハッキングできるんじゃないか?」
「ええ、それは可能だと思いますが、サーバーにリンクすると、PCはフリーズしてしまうのでは?」
「それが可能なんだ。捕獲した80EXの脳幹メモリを通して、こちらのPCをサーバーに接続することに成功している」
「それでワクチンを流すことが出来るんですね」
「何度もやってみたよ」
ケニーが口を挿んだ。
「ワクチン開発に半年かかかったが、マザー・スーはかなり高度なプログラムを持っていて、一瞬でワクチンを検知され、隔離されてしまった」
ケニーは残念そうに、そう付け加えた。
「まあ、そんなに早く? 敵のセキュリティーソフトは何を使ってるのかしら?」
私は少し笑いながら言ってみたけど、
「その冗談なら、もう聞き飽きてしまったよ」
また少佐に真面目な顔で言い返された。
「じゃ、今までに入手できた情報をいただけますか? ハッキングして敵の弱点を探ります」
「そうしてくれ」

 その日から私はケニーに協力して、この武骨でむさ苦しい部屋の中で、対AI戦争に参加することになった。
 でも、ケニーとは気心の知れた仲、クラーク家の地下室で一人PCをいじってるより、ここで彼といる方が安心できる。快適なオフィスで机を並べてた時より、ずっと安らぎを感じられるなんて。それに平和だった頃とは、比べものにならないくらいのトキメキも。二人だけになれば、いつも彼からキスを求められちゃうし。