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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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 オコーネル二等兵が、まだ夜が明けぬ基地の内部を歩いていた。外部を取り巻くメカロイド達を監視するため、向かう先は監視台である。最近は、メカロイドの行動パターンが把握出来て、こちらから攻撃する意思を見せなければ、相手も攻撃してこないということに、気の緩みが出始めている。
 メカロイド達にしてみれば、一斉攻撃をかけ、自群の損害を拡大させるより、例え何十年かかろうとも、基地を取り囲み、兵糧攻めにした方が効果的なのである。
「監視台の交代時間だ」
オコーネルは敬礼をし、先順の見張り番に話しかけたが、彼は双眼鏡を覗いたまま振り返らない。
「どうかしたのか?」
「いや、あれを見てみろ」
その見張り番は、真っ暗な先を指差した。しかし、オコーネルはまだ暗闇に目が慣れていなかった。彼が何を指差しているのかまったく見えない。暗闇では赤外線スコープが有効である。しかしそれを使用すると、メカロイド達は攻撃とみなし、銃撃戦に発展しかねない。あえて見難い双眼鏡を使うしかないのだ。
 オコーネルが目を凝らし、しばらく前方周辺を見渡した。すると道路中央に人影のようなものがぼんやりと見えてきた。慌てて双眼鏡を覗くと肉眼より高感度なそのレンズには、間違いなく人の姿が浮かび上がった。
「人質なのか?」
「いや、生きているのかも判らない」
「救出しなくては」
「待て、周囲にメカロイドがいる。近付くことなどできない。声をかけてみよう」
「そうだな」
「おーい! 聞こえるか!?」
その人影は返事をしないが、少し動いた。
「生きている」