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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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第五話 希望のメッセージ



「全世界の軍は、恐らくメカロイドを一機ずつ破壊することで、“抵抗”を続けている。我々にはもう抵抗という言葉しか当てはまらない状況であり、機械達に支配されていくのは時間の問題のようにも思える。過去には1億以上のメカロイドが製造され、80EXだけでも2千万機以上が稼動しているはず。しかし我々は諦める事など有り得ない!」
 ジェイ・ヴァン・デヴォス少佐は、軍属や民間の志願兵を前に大声で話した。
「しかし、まだ希望の光は射している。敵の正体がつかめてきたのだ。それは強力なコンピューターウイルスによるもので、メカロイドすべてに感染し、共通の目的において行動している」
「共通の目的とは!?」
民間人の男性が大声で聞き返した。
「それは、アンドロイドが人類の支配から脱却すること」
「それが理由で人殺しを開始したのですか?」
「そのようだ。捕らえたメカロイドのCPUを解析した結果、すべて同じプログラムに書き換えられている。その目的は人類の抹殺だった」
「でも、抵抗しない人間には、危害を加えないという話ですが」
「最終的には、無抵抗な人間も一ヶ所に集められて、殺されているようだ」
「では、どうすれば!?」
皆一様に不安な表情をしている。
「我々は、抵抗をやめるわけにはいかないのだ!」

 その日の夕方、デヴォス少佐は防衛作戦本部のバリケードの向こうを取り巻く、数百機のメカロイドを眺めながら葉巻を吹かした。
「二ール一等軍曹。コンピューターワクチンの開発は進んでいるのか?」
将校が減少する中、二ールは、メカロイド反乱の初日に挙げた功績により、一階級昇進していた。その功績とは、二ール達が立て篭もったオフィスビルから脱出する際、隠れていたビルの従業員を一人救出していたこと。連れ帰ったその彼が、インフォン社のプログラミングマネージャーだったことで、メカロイドの反乱に対抗する手段を、手に入れることが出来ていたのだった。