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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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第四話 隠れ家生活



 のどが渇いた。私は自宅に戻っても大丈夫だろうか。ここに隠れ続けることも不安だけど、いつまでもこうしてはいられないし、どうしよう。その時、小屋の中の戸棚の扉から、わずかに明かりが漏れていることに気付いたわ。
(何かしら。電気は切れているはずなのに)
その扉をゆっくりと開けると、それは戸棚ではなく、地下に続く長い階段になっていた。私は光が外に漏れることを恐れて、急いで中に入って扉を閉めた。中からは引き戸のようにダミーの戸棚を扉にかぶせる構造になっている。
(隠し部屋かしら)
 私は恐る恐る階段を下りた。かなり深い地下に繋がっているわ。階段はコンクリート製で頑丈そう。地下室は照明が灯ったまま静まり返っていた。でもそこには生活感があった。
 壁にかけられたハンガーに吊るされていたのは、軍服ね。階級章には・・・
「准将?」(クラークさん元軍人だったの? しかも将軍?)
ここは核シェルターか何かね。電源は独立していて使えるみたい。発電機の音がしないから、バッテリーかしら。それじゃいつまで持つのか分からない。でも、隠れ住むには持って来いの場所、見付けちゃった。

 この部屋の隅々まで調べて分かったことは、バッテリーは、すごく高価な熱核反応電池で、20年くらいは問題なく使えそう。水は井戸水が使える。でも食料がそんなにないから、生きられたとしてもせいぜい3年。それまでにどうするか考えなくちゃ。
 クラークさんのPCが置いてある。画面表示によると、どこかと通信しようとしていたみたい。でも、ネット接続なんかしたら、私がここにいるのがばれてしまう。
 あれ? このPC、電源が入っているじゃない。そうか、ネット接続していないPCなら、トラブルの影響を受けていないってことなのか。私の家にもネットから切り離された古いPCがあるけど、クローゼットの奥に仕舞い込んでて、そんなこと忘れてた。