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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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 その高層階の窓からは、無残に破壊され廃墟したフェニックスの街並みが見渡せたわ。たった1年でこんなにも荒廃してしまっているなんて。対照的にそのフロアの中央に、大きなドーム状の施設が無傷で設置されている。すごく高価そうな設備。
(これが、ホログラムチャンバーか・・・)
暗くて大きさがハッキリ分からなかったけど、中はバスケットコートぐらいの広さがありそう。
「ケニー、バッテリー接続は済んでいる。君が電源を投入してくれ」
ニール軍曹が指示した。ケニーは、ホロチャンバーの側に設置された部屋に入った。そこがオペレーションルームのようね。
(それにしても、慣れてるわね)
ケニーはやはりここで、企業機密に関与したことがあるんだわ。
「装置電源、入れます!」
ケニーは大声で言った。あんまり大声出すと、メカロイド達に気付かれそうなのに、インフォン社の安全ルールでは、周囲に知らせるために大声を出すことになっている。
『前回シャットダウン時二、異常終了シマシタ。原点復帰ガ、必要デス』
コンピュータ音声でアナウンスが流れた。ケニーは、
「装置を原点復帰します!」
また、大声。
 数分間、静かに機械が動くような音が聞こえて、オペレーション装置の表示が、点滅したり色が変化したり。
『3件、エラーガ上ガッテイマス。プログラムヲ、初期化シマスカ?』
すると、ケニーは、
「プログラムを初期化します!」
「ま、待って!!!」
私は、初期化しようとしたケニーを止めた。安直過ぎる。
「初期化しないと、エラーをクリア出来ないよ」
「なんでよ? 初期化しちゃったら、起きてる問題の原因究明ができなくなるじゃない」
「リズの言う通りだ。ソリューション(解決策)を見付けるのが任務だぞ」
ニール軍曹も私に同意してくれた。
「エラーを修正しましょう。コンピューター。エラーの内容は何?」
私はコンピューターに直接問いかけた。
『電圧ノ不安定。マザー・サーバーヘノ通信異常。ホログラムキャラクター1名ノ、データ欠損デス』
電圧は仕方ないわね。電池を使ってるんだから。でも出力と容量は十分なはず。
「電圧の測定はイグノア(意図的な無効)に設定」
『本当に、イグノアニ、設定シマスカ?』
「YES エラーリスタート」
『エラーガ1件、解除サレマシタ』
次はマザー・サーバーとの通信か。それは無理ね。センターの電源が落ちてるんじゃね。
「システム管理をローカルに切り替え実行」
『ローカルニ切リ替エルト、イーサーネットでのバックアップログノ取得ニ、制限ガカカリマス』
「構わないわ」
『本当ニ、システムヲローカルニ、切リ替エマスカ?』
「YES」
また暫く、装置がチカチカ点滅したり、キューンて変な音がしたりした。
『システムノ管理ガ、ローカルニ、切リ替ワリマシタ』
「エラーリスタート」
『エラーガ1件、解除サレマシタ』
「残りの“キャラクターデータ欠損”って、何かしら」
私はケニーに訊いてみた。
「分からない。突然電源が落ちたから、その時起動していたキャラクターのプログラムが壊れたんじゃないかな」
「多分そういうことね」
「コンピューター。そのキャラクターは重要なのか?」
『ハイ。実行中ノシミュレーションノ重要人物デス』
「名前はなんと言うの?」
『“マダム・スー”デス』