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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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 私は周囲に気付かれないように玄関に戻り、そのまま裏口から出た。垣根をくぐって、クラーク家の庭にあるガーデニングの倉庫小屋に忍び込んだ。この窓からクラークさんとパトロイドが揉めているのがよく見える。
「手を離せ!」
クラークさんはまだ叫んでいるけど、パトロイド達は夫妻を引っ張って、裏庭にやって来た。そして私は、そこでとんでもない光景を目の当たりにした。

 ★バキッ!

 何の前触れもなく、クラークさんの首が折られた。駆け寄ろうとするおばさんも、後ろから頚椎を突き飛ばされ、顔から地面に倒れこんでピクリとも動かなくなった。
「なんてこと!? まずい。ここにいるのがばれたらまずい!」
80EXは動体感知能力にも優れている。少しでも動いたら見付かるわ。いいえ、動かなかったとしても、赤外線監視モードを使われたら、小屋の中でも私の体温は感知されてしまう。
 しかし、パトロイド達はクラーク夫妻をそのまま放置して、表の通りに戻って行った。その後、通りではどんなやり取りがあったのかは分からないけど、バスが来て全員どこかに連れて行かれたみたい・・・
 夜が来た。でももう灯りを点けることもできない。私はガーデニング倉庫でじっとしたまま考えていた。いっぱい考えた。メカロイド達が人を殺すなんて、絶対にありえないと信じていたことが、目の前で起こった。
「ああ、おばさん達。あんな姿のまま放置されているなんて」