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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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第三話 AI倫理



「家カラ出テ、道路ニ整列シテクダサイ」
「何だと! ロボットのくせに人間に指図するのか!」
「指図デハアリマセン。コレハ命令デス。従ワナイノデアレバ、警察ヲ呼ビマス」
 数機のメカロイドが一軒一軒の家を回り、住民を外に出そうとしていた。隣のクラークさんは、とても頑固なおじいさん。パトロイドが来るまで、押し問答を繰り返すんだろう。私はそれを二階のカーテンの隙間から見ていたけど、次はうちに来るに違いない。パトロイドの80EXは、赤外線検知機能があるから、家に隠れていても見つかってしまう。だから自分から出て行くしかないわね。私は簡単に荷物をまとめて、玄関に出た。すぐにメカロイドの80B一体が近付いて来たわ。
「アチラニ並ンデクダサイ」
 でも不可解。PCや電気製品は動かないのに、どうしてメカロイドだけ動くことが出来るのかしら。
 あの日から一週間、住民はメカロイドに監視されているわ。でもロボットは人に危害を加えない。AI倫理にそう定められているから。私も職業柄、そういったプログラミングを何度も行ってきた。
 近所の人は皆、ロボットの反乱が起こったって言うけれど、そんなことはあり得ないと思う。今の時代のロボットは、個別に単純なプログラムを持っていて、決められた作業にしか活用できない。連携して反乱を起こすなんて不可能。最新型メカロイドの200Wでさえ、やっと中央サーバーにリンクして、そこからの司令に基づいて活動すると言っても、まだ全世界に数百機しか出荷されていないし、そのサーバーにこそAI倫理の厳重なプロテクトがかかっていて、人類に反抗するような事はあり得ない。私は仕事で、それらのプログラム開発に携わって来たからよく知っている。もし首謀者がいるとすれば、軍のクーデターかテロリストに他ならない。
 フェニックスの街は破壊されたって聞くけど、本当なのかしら。世界がどうなってしまっているのかも、全く情報がないから分からないまま。