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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 3 「フェニックス」

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 軍に置かれた戦闘ロボット達も同様だった。現在、街で兵士達が戦っている相手は、自分達自身の最新兵器“メカロイド200W”だ。しかし、本来は軍用ではない80(ハチマル)シリーズのメカロイドまで、その戦闘に加わっている。
 軍にはコンピューターリンクから切り離された、ほんの一部の電子機器のみが使用可能で、ゲリラ戦によって応戦している状況である。そして街の各所で攻撃が激しさを増し、それらを制御できなくなっていた。

「デヴォス少佐。各小隊が壊滅的被害を受けています」
「大尉、全中隊に指示。小隊を一旦引き上げさせろ。敵の戦力を確認したい」
フェニックス郊外の工場の駐車場に陣を張り、大隊の指揮を執るジェイ・ヴァン・デヴォス少佐は、メカロイド達への攻撃を中止し、一時撤退を命令した。歴戦の英雄である少佐でも、この事態に戸惑いを隠せない。信頼していた兵器が使えず、それらと交戦していることに。しかし、この撤退の判断は功を奏した。
 ブラボー小隊の兵士が、メカロイドへの攻撃を止めると、なぜかメカロイド達も反撃を止めた。そしてそれらは暗闇に立ち、ニール・カトウ軍曹らが立てこもるオフィスビルを見上げている。
「ニール二等軍曹殿、どうしたんでしょうか? メカロイド達の動きが止まりました」
オコーネル・ジョーンズ二等兵が、大量の汗をかきながら四つん這いで近寄って言った。この乾燥地帯の街で、これだけの汗を垂れ流す奴は珍しい。
「ああ、油断するな。やつらは死など恐れない。だから隠れもせず、ただ弾を節約してるだけかも知れない」
 ニールは窓からゆっくりと顔を出して、ヘルメットのつばと窓枠の隙間から、敵を確認した。遥か後方で燃えるトラックの炎のおかげで、メカロイドがこちらを向いて立っているのが判った。ニールは腰の拳銃を抜くと、ゆっくりと構えて、そのメカロイドに向けた。すると次の瞬間。
 ★!ダダダダダッ!
「野郎! また撃って来やがった!」
オコーネルは頭を抱えて、床に突っ伏した。弾は窓枠に当たり、壁も崩れ落ちた。
「こんな窮地は前にもありましたが、今回は訳が解りません!」
「機関銃を使ってやがる! クソッ! あれはトラックに置いてきた俺の機関銃だ!」
ニール軍曹は悔しそうに叫んだ。