レナ ~107番が見た夢~ 補稿版
相手を決めて部屋に入ったら、壁掛けの内線電話でフロントに通知するのがC-インの利用法、プライバシー保護のために今だに有線でカメラも付いていない旧式の受話器だ。
その向こうから言わずもがなのいつもの注意事項を聞かされ、滞在時間の予定を聞かれる……俺は12時間コースを告げた。
「107番を12時間ですね、明日の午後2時までになります、延長なさる場合は30分前までにフロントにご連絡下さい、予定より早くお帰りになる場合でも規定料金は戴きますがよろしいでしょうか?」
受話器からは人工音声による事務的な説明が流れて来る。
今まで自分にロリータ趣味があると感じた事は一度もなかった、こういう宿で裸のローティーンを見かけても、どうして胸も膨らんでない娘に興味を持つのか不思議に思っていたくらいだ。
確かにここに来る時、女の身体を抱きながら眠るのは悪くない、と考えていた、だが、その時イメージにあったのはむしろ熟女寄りだったのに……。
「12時間コースですか?」
彼女……107番はきょとんとしている。
「あ、もしかしてもう眠いのかな?」
「あ、いえ……滅多にないんでちょっとびっくりしただけです」
「そう? 実を言うと俺はちょっと眠い、忙しかった仕事が終わったんだけど終電もなくなっちゃったんでここに来たんだ、一回はさせて貰うけど、多分俺も寝ちゃうから、君も朝まで一緒に寝ててもいいよ」
「あ、そうなんですか? でも、何回されても……皆さんそうされますし」
「俺、別に金持ちでもなんでもないけど、来月は残業代もたっぷり入るはずだから、たまにはそんな贅沢もしてみたくてさ」
俺がそう言うと、107番はニッコリ笑ってこくんと頷いた。
トランクスだけ残して、荷物と着衣の全てをロッカーに放り込むと、俺は107番をシャワーに誘った。
「何歳?」
「12歳です」
子供の平均的な身長・体重など知らないし、個人差も大きいから年齢を推察するのは難しい、もう2歳位下かなと思っていた。
後で調べてわかったのだが、107番の体格は10歳としての平均に近い、12歳という事はだいぶ小柄な部類だ、ただ、体つきと言う点ではほんのりとだが丸みを帯び始め、女らしさも見せ始めている。
いずれにせよ、実際に腕に抱いてみると140センチそこそこで40キロを大きく下回るであろう身体は見た目以上に小さく感じる。
クローンはコピー元の人種に関わらず全て緑の髪になる様に遺伝子操作されている、リアル人間と区別するためだ、髪の毛以外の体毛も全て緑、と言っても107番には体毛と言える様なものは何もないが……。
107番の小ぶりな顔にはその緑色の髪が良く似合っていて、触れてみるととても細くサラサラだった……髪を撫でた時、その頭の小ささも実感した、そして、見た目にはほんのりとした膨らみに過ぎない胸も撫でると思った以上に柔らかく、まだ陥没したままの乳首も固くなる、肌のキメの細やかさは成人とは比べ物にならない、掌が吸い付くような感触だ……そして性器……見た目には一本のスジに過ぎないが愛撫してやれば『あん』と小さく声を漏らす、こんなに小さくても客を取らされている身、性体験は豊富なのだ、そしてまだ演技を憶えるような歳でも無いから本当に感じてしまうのだろう。
だとすれば……こんな子供を抱こうとしていることに少し後ろめたさも感じていたのだが、気にすることでもないだろう、小さくても性的には一人前の女なのだ、一本相手して後は寝ててもいいというなら、この娘にとっても良い仕事、楽な仕事だろうし……。
迷わずこんな幼い娘を選んだのは、それも理由だったのかも……と思った、普段、C-インに来るときは『溜っている』場合がほとんど、今は疲れていて性欲もそう強く感じているわけではないから……。
シャワーの後、いわゆるお姫様抱っこにしてベッドに運ぶ、小さく軽い身体ならではの楽しみ方、大抵の男はこれをやりたがるのではないだろうかと思う。
そしてベッドに横たえ、時間をかけて愛撫すると……107番は俺を魅了した。
かすかな胸のふくらみは掌にすっぽりと納まり、腰から尻にかけてのなだらかなラインもすべすべしていながら掌に吸い付くような肌とも相まって好ましい。
その間、107番は小さく声を漏らし続ける、C-インの女たちの中は客を早く終わらせてしまおうと大げさな声を上げる者も少なくないが、107番の押し殺したような小さな喘ぎ声は俺の感性を刺激する。
たっぷりと愛撫した後に脚の間のスリットに指を伸ばして豆粒のような花芯を刺激してやると、107番は大きく背中を仰け反らして達してしまった。
「ご、ごめんなさい……」
客より先に逝ってはならないと教育されているのだろう、107番は自分だけ逝ってしまった事を謝ったが、俺は少しも気分を損ねてはいなかった。
「気にしなくて良いよ、俺がしたくてしたことだから、俺の愛撫は気持ち良かった?」
「はい」
「とても可愛い声で鳴くね、嬉しくなるような声だ」
「そ、そうですか?」
「うん、今までロリータ趣味はないつもりだったのに、君を見かけた時に思わず足が止まったんだ、なにか惹き付けられるものがあってさ、かいがいしくベッドを直してる姿が可愛かったんだ、顔も可愛いし、こうやって愛撫してみると体も未熟なりの魅力があるよね」
「え……ありがとうございます……でも、子供っぽ過ぎませんか?」
「子供っぽくないとは言わないよ、実際子供なんだしさ、でも、12歳でもちゃんと感じてくれれば女としての魅力もあるよ」
「あ……ありがとうございます……」
107番はちょっと戸惑ったように、それでいて嬉しそうにほほ笑んだ。
実は、俺は少しばかりコンプレックスを抱えている。
俺は185センチ80キロとかなり大柄な方だ。
しかしアレは少々小さめなのだ、そう極端に小さいわけではないとは思うのだが、身体が大きい分余計に貧弱に見えてしまうらしく、リアルでもクローンでも『あら?』と言う顔をされてしまうことがある、中には声に出してしまう女性もいるくらいだ。
しかし、107番の小さな身体を前にすると、控え目サイズで良かったとすら思う、体の大きさに見合ったビッグサイズだったら、この儚ささえ感じさせる華奢な体を壊してしまいそうだ。
107番も『あら?』と言うような顔はしない、むしろ少し安堵している風ですらある、それもそうだろう、この小さな身体で大人の男の相手を務めるのは決して楽ではないはずだ。
そして……案の定と言うべきか、幸運にもというべきか、俺と107番の相性は抜群だった。
107番は俺の分身を柔らかく包み込み優しく締め付けて来る、そして彼女の小さな体にも俺の控えめサイズがジャストフィットしたようだ、俺は彼女に、それ以上は苦痛になると言う一歩手前の、最適な刺激を与えられていたようだ。
107番は絶えず喘ぎ続け、俺は夢中で腰を振った……。
ここに来る時は、軽く一本抜いてもらって後はぐっすりのつもりだったのだが、この部屋に入ってから2時間あまり……すっかり弾を撃ち尽して満足した俺は、ごろんと107番の横に寝転び、腕を差し出した。
作品名:レナ ~107番が見た夢~ 補稿版 作家名:ST